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劇団appleApple

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ふりかえってみたりなど、その3(テディベア)

永妻です。


『ふりかえって』の第三弾。


この世でたった三人しか知らない幻の作品(笑)


『テディベア』


『フレンチトースト』後、役者の柘植裕士さんを迎え、三人で何かやろうというお話に。


ちょうどその頃、父のワークショップの発表会が近づいていたので、エントリーして書き下ろしたのがこの作品。


なのですが、


発表会ではなく、公演という形で何かをやろうという展開になって、これは結局お蔵入り。


ちなみに、恩田和恵も別のチームでこの発表会に参加。


「一緒に頑張ろう」


という約束を見事に破る形になった展開でした。





こちらも短編。


一人増えて初の三人芝居。


実際に舞台にしたら、二十分くらいの話だったと思います。


結婚後に初めて書いた話でもあります。


(そういえば、『透明人間』から『フレンチトースト』の間に婚約してたんだった。)


この作品も含め、ここまでの短編のデータは残っておらず、


これに至っては稽古もしていないので、話の筋が特におぼろげ。


確か、


ホテルで缶詰になっている女小説家の元に、一人の編集者がやってきます。


彼はその物語が出来上がるのを同じ部屋で待ちます。


彼女が今書いている小説なのか、彼女の思い出なのかはわからないけれど、


もうひとつの物語が始まります。


ある雪の日に、一人の青年が怪我をして倒れています。


彼は誰かを待っています。


そこに女小説家によく似た人物が通りかかり、


彼に待っている理由を尋ねます。


それは彼女が幼い日に置き去りにした、テディベアの記憶。


彼はテディベアの記憶を持って、幼い彼女を今も待ち続けているのです。


その物語はやがて物語を飛び出し、ホテルの部屋にいる二人を呑み込んでいきます。


だったかと。


あまり自信がないですが。


フレンチトーストで、「フランス映画っぽい」という感想があって、


そこを伸ばそうとして書いた記憶があります。


台詞運びも構成も些か独創的過ぎて、


「わかる」「わからない」で言えば、かなりわかりづらい話だったと思います。


ラストは、


「あのテディベアの瞳の中に、私は今も閉じ込められたままなのだ」


という一行の台詞で、謎は謎のまま、不可解は不可解のまま、ばっさりと終わるっていう。


今はちょっとこんなことをする勇気はないですね。


してみたいのは、山々なのですが。。。


ちなみに、


これは家にあるテディベアを見て思いついたもの。


埃をかぶってじっとしているテディベアが、誰かを待ってるみたいに見えたことから始まったもの。


待つ時間って、不思議です。


誰かを待っている間って、これって誰の時間なんでろって感覚です。


その間、自分がしたいことをしていても、待っている以上、それは相手の時間なのかな。


それとも待っている以上、既に二人で共有してる時間なのかな。


っていう、曖昧さが、ちょっと興味深くて、そそられます。


いつか、「待つ」ことについて書いてみたいな、と思っています。


さてさて、次回はようやくappleApple第一回公演です。
by appleAppletheater | 2013-01-09 23:06 | 主宰
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