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劇団appleApple

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信念は崩壊してはならない!

一年振りに劇団appleAppleに参加させて頂くことになりました、柘植裕士と申します。

よろしくお願い致します。

早速ですが、あと21日となりました。


何がって?

「グラン・トリノ」ですよお!

私が最も敬愛する映画監督にしてスーパースター!
クリント・イーストウッド御大の最新作「グラン・トリノ」の日本公開が4月25日に迫ってきたわけですよお!
信念は崩壊してはならない!_f0200288_2061886.jpg


アンジェリーナ・ジョリーから新たな魅力を引き出し、魂を揺さ振りまくった未曾有の傑作「チェンジリング」の興奮冷めやらぬうちに早くも新作登場ですよお!

しかも、役者としては「ミリオンダラー・ベイビー」以来、4年振りの登場というわけで、ファンとしてはもう胸の高まりを抑えきれないというか、私の頭の中はこの事で一杯な訳でして、今の私に何かを書けと言われたら、もうイーストウッドの事以外有り得ないわけなんですね。

それにしても、この人の衰えを知らないパワーは一体何なんでしょうかねえ。

今年で79歳ですよ!

還暦を過ぎてからのイーストウッドは一作ごとに自らの最高傑作を塗り替えていく充実ぶりをみせています。(もちろん初期から中期にかけても素晴らしい作品は沢山あります)

本来なら、ただ衰えていくだけか引退する年代に突入しても、若い頃と変わらぬペースで仕事をし、傑作を放ち続けるイーストウッドに対して我々はただひれ伏すのみであります。

かつてチャップリンは自身の最高傑作は何かと問われた時、常に「ネクストだ!」と答えたそうです。

現在進行形のアーティストとしては当然の答えだと思いますが、実践するのは本当に大変な事だと思います。

イーストウッドはそれを実践している(しかも涼しい顔で!)本当に稀有な人なんですね。

私が初めてイーストウッドの映画を劇場で観たのが中学一年生のとき1982年でした。

信念は崩壊してはならない!_f0200288_21563378.jpgその時の作品が「ファイヤーフォックス」もちろん監督・主演です。

娯楽映画の真髄とも言うべき作品で、今観直してもメチャクチャ面白いんですけど、当時13歳だった私はイーストウッドの顔に完全にやられてしまったわけなんですね。

まるで傷のようにも見える無数のシワやら、遠くを見つめる時の細めた目つきやら、とにかくその顔の持つ迫力が尋常じゃなかったんですね。

「ファイヤーフォックス」はイーストウッド扮する元空軍パイロットがソ連に潜入して、最新ジェット戦闘機を盗み出すという話(冷戦時代だねえ)で、ジェット機を操縦するイーストウッドが敵と凄まじい空中戦を繰り広げるのが終盤の大きな見所になっています。

SFXを駆使した空中戦と操縦席に座っているイーストウッドの顔のアップ、映画の終盤はこの二つのみで構成されていると言っても過言じゃないんですけど、圧倒的にイーストウッドの顔のほうが凄いんですよ!

役者の顔から放たれる本物の迫力が、SFXによって作られた虚の迫力を完全に凌駕してしまっている。

私は心の中で叫んだ!

「これこそ、真の男の顔に違いない!」

まだ中坊だった私にとって、それは本当に鮮烈な映像体験だったわけであります。

あれから、27年

私のイーストウッド・ファン歴もついに四半世紀を超えたわけであります。

「グラン・トリノ」は、ひょっとしたらイーストウッドが役者として出演する最後の映画になるかもしれないと言われています。

アメリカにおいては、すでに昨年末に公開されイーストウッド映画史上最高の興行成績を叩き出しています。

様々な映画、様々な役柄を通して「男の生きかた」を追求してきた役者イーストウッドが、どんなラスト・メッセージを我々に届けてくれるのでしょうか。

それは文字通り「人生を賭けた演技」であることは間違いないでしょう。

世界中が混迷を極めているなかで、イーストウッドが迷える大人たちに贈る渾身の一作!

楽しみですねえ~。

いよいよ明日から、劇団appleAppleの稽古が開始されます。

私も私なりに、「人生を賭けた演技」なるものを目指して3ヶ月間戦ってみようかと思っている次第であります。

男の人生は最後で決まる!

柘植裕士
by appleAppletheater | 2009-04-04 22:41 | 崩壊
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